過大要求と過小要求はなぜ起きるのか― ハラスメントを生むマネジメントの歪み ―

ハラスメントというと、「過大な要求」が注目されがちです。

・達成困難な目標を課す
・過度な長時間労働を強いる
・能力を超えた業務を押し付ける

こうした行為は分かりやすく問題視されやすいものです。

一方で、見落とされがちなのが「過小な要求」です。

・仕事を与えない
・責任ある業務から外す
・能力に見合わない簡単な業務しか任せない

一見すると問題がないように見えますが、これも組織にとっては大きなリスクとなります。


■ 過大要求と過小要求は“逆”ではない

過大要求と過小要求は、正反対の問題のように見えます。

しかし実際には、

どちらも同じ構造から生まれています。

それは、

「どう任せるか」という判断基準の欠如です。


■ なぜ過大要求が起きるのか

過大要求は、単なる厳しさや意図的な圧力だけで起きるものではありません。

多くの場合、

・成果を強く求めるあまり余裕がなくなる
・本人の能力を正しく把握できていない
・「これくらいできるはず」という思い込み

といった背景から生まれます。

つまり、

適切な負荷の基準がない状態

で判断しているのです。


■ なぜ過小要求が起きるのか

一方で、過小要求もまた意図的ではないケースが多く見られます。

・トラブルを避けたい
・任せることに不安がある
・負担をかけたくない

こうした配慮が重なることで、

「任せない」という判断が選ばれる

ようになります。

こちらも同様に、

任せる基準が曖昧な状態

であることが原因です。


■ 共通する問題は「判断の軸がないこと」

過大要求と過小要求に共通するのは、

・どこまで任せるべきか
・どの程度の負荷が適切か
・成長をどう捉えるか

といった判断の軸が明確でないことです。

その結果、

・人によって判断がばらつく
・状況によって対応が変わる

といった状態が生まれます。


■ 組織への影響

この状態が続くと、

・一部の人に業務が集中する
・人材が育たない
・不公平感が生まれる

といった問題が発生し、組織全体の生産性低下につながります。


■ 求められるのは「適切な負荷を見極める力」

重要なのは、

過大でも過小でもない「適切な負荷」をかけること

です。

そのためには、

・本人の能力や状況を把握する
・成長の段階に応じて任せる
・必要に応じて支援する

といったマネジメントが求められます。


■ 判断基準を持つということ

ここでも重要になるのが、判断基準です。

・どのような成長を期待するのか
・どのタイミングで何を任せるのか
・どこまでを許容するのか

こうした基準が共有されていれば、

「感覚」ではなく「方針」に基づいた判断

ができるようになります。


■ まとめ

過大要求と過小要求は、対立する問題ではありません。

どちらも、マネジメントの判断基準の欠如から生まれています。

ハラスメントを防ぐためには、

何を禁止するかだけでなく、どう任せるかを考えること

が重要です。