【従業員の意識を変える!】ハラスメント研修について
従業員に対してハラスメント予防策を行いたいが…
目次
企業におけるハラスメント対策は従業員の生産性に大きく影響する重大な経営課題の一つです。
加えてパワーハラスメントについては相談窓口設置の義務化が行われるなど、ハラスメント対策の強化が社会的にも必要になってきています。
しかしながら、ハラスメント対策は単純に社内制度を整えれば、完了ではありません。従業員一人一人の意識を変えていく必要があります。
今回は、従業員の意識を変える方法として有効な研修の活用についてお伝えしていきます。
ハラスメントとは
ハラスメントとは、「他人に対して不快感、脅迫、または差別を引き起こす言動」を行うことです
社会的にハラスメントへの意識が高まってきており、ハラスメントの種類も増えてきています。
「相手を傷つけること」という根本的な原因は同じであり、どのハラスメントであっても気を付けるべき点は変わりません。
しかし、場面や相手によって人の言動の受け取られ方は異なります。「何気ない一言がハラスメントに該当してしまった」ということも十分に考えられます
ハラスメント研修について
ハラスメント研修は誰向けに行うかによって内容が大きく変わります。研修方法によっても違いはありますが、今回は対象者で分けた場合の内容について述べたいと思います。
①ハラスメントを受けた方向けの研修
ハラスメントを受けた方は心の傷を負っている可能性が高く、心のケアを中心とした研修になることが一般的です。
ハラスメントの被害内容によっては、再び働く事に恐怖を抱く場合もあり、相手に配慮をしながら復帰できるように心の平穏を保つ内容とすることが多いです。
今後ハラスメントを受けないための方法やハラスメントを受けた場合の対処など、対策について指導を行う場合もあります。
被害の内容によっては研修ではなく、個別カウンセリングの実施が必要な場合があります。
ハラスメントを受けた方向けの研修を実施する際には、受講者の状態に配慮していただくことが大切です。
②ハラスメントを行ってしまった方向けの研修
ハラスメントを行ってしまった方は、どの行為がハラスメントに該当したのか、自身がハラスメント加害者であることを認識していない場合が多いです。
そのため、ハラスメントに該当する行為を丁寧に説明しながら、自身の振る舞いを振り返っていただきます。
被害内容が分かっている場合には、どの行為がハラスメントに該当するのか丁寧に解説し、ハラスメントを行ってしまったことへの自覚を促します。
そして、今後どのような振る舞いを行うべきか、自己目標を立てていただき、二度とハラスメント行為をしない様に改善していっていただきます。
フォローアップ研修を行い、改善状況を随時確認していきます。
③一般社員向けの研修
ハラスメントの加害者にも被害者にもなる可能性が高いため、両内容について研修を行います。
加害者側としてはモラルハラスメントやセクシャルハラスメント、被害者側ではパワーハラスメント、セクシャルハラスメントを題材にすることが多いです。
企業によって特徴的なハラスメント行為が見られる場合は、そのハラスメントについての内容を取り入れます。
ハラスメントに対する知識に加え、被害を受けた場合の対策や加害者側にならない注意点など幅広い内容になります。そのため、年に1度など定期的に実施しながらハラスメント意識の向上につなげます。
④マネジメント層向けの研修
マネジメント層は、管理や部下指導の場においてハラスメント加害者になる場合があります。
そのため、ハラスメントの知識に加え、ハラスメントと管理・指導の違いについて研修を行うことが多いです。
また、マネジメント層におけるハラスメントはマネジメント力不足によって起きる場合も多く、マネジメント能力向上に向けた内容を同時に行うこともあります。
加えて部下同士のハラスメントなど上席者としてハラスメント解消を行う必要もあるため、ハラスメント解消に向けた内容も組み込みます。
一方で、部下からハラスメントを受ける逆ハラスメントも最近増えてきており、被害対策についても研修を行う場合があります。
会社の意思決定を有している方に対しては、ハラスメント対策における社内体制の構築、ハラスメント規則等についても内容に含めることがあります。
⑤労務・人事担当者向けの研修
一般社員向けの研修内容に加え、自社内でハラスメントが起こってしまった場合の対策について研修を行います。昨今ではパワハラ相談窓口の設置義務化に伴い、傾聴力やコミュニケーション力の向上といった内容を含めることが多いです。
また、当社ではハラスメントによって対立してしまった人間関係の改善や適切な指導方法など、人への理解を深める内容を盛り込んでいます。
⑥個別カウンセリング
研修とは違いますが、時にハラスメント被害者・加害者共に研修ではなく個別カウンセリングを実施する必要がある場合があります。
それは、被害者の場合は、丁寧な心のケアを行う必要がある時、加害者の場合は、ハラスメントの自覚ができない時など、個々の事情に合わせた対応が求められる場合が該当します。
社内の相談窓口にて対応することが一般的ですが、第3者からの評価が欲しい場合や自社内では安心して相談ができない場合に、外部機関を利用することが求められます。
ハラスメント研修を行う際のポイント
ハラスメント研修を自社内、外部へ依頼する場合を問わず、押さえておきたいポイントを以下に述べます。
➀対象者の明確化
ハラスメント研修では、被害者側と加害者側で、研修内容が大きく異なります。
そのため、どの人達を対象にするのか明確にする必要があります。
両方に対してアプローチをする場合はその限りではありませんが、研修内容は対象者に併せて特化した方が効果を得られやすいです。
➁ハラスメントの被害者だけでなく加害者にも配慮する
ハラスメント研修は、実際に社内でハラスメントが起きてしまった場合に行われることが多いです。
この場合、被害者が特定されない様に研修対象者を広範囲にするなど配慮が必要です。
また加害者も同様に特定されない様に配慮をしなければなりません。
ハラスメント被害者、加害者が特定されると、あらぬ誤解や次の攻撃対象となる等、二次的被害を生む可能性があるためです。
研修実施時には、対象者が特定されない様に配慮することが大切です。
③定期的な実施
ハラスメント行為は、時代の流れによって捉え方が大きく変わります。
例えば、昔は暴言を伴う指導も許されていたが、現在では絶対に許されないなど、社会通念は変わっていきます。そのため、1度きりではなく定期的に知識のアップデートを行っていく必要があります。
また定期的な研修の実施により、ハラスメントへの意識向上に繋がりハラスメント防止につながっていきます。
④ディスカッションの場を設ける
ハラスメント行為は社員同士の相互理解が不足していることによって発生する場合があります。
特にパワーハラスメントの場合、一定の言葉について上司と部下の間の認識が大きく違っていることがあります。
業界によっては、危険性を伝えるため強い口調になってしまう場合もあり、一概に言葉遣いが悪いといえないこともあります。
そのため、相互理解を深めるためにディスカッションの場を研修内に置くことが大切です。
まとめ
ハラスメント研修は、ハラスメント予防・防止に有効的な対策です。
ただし、なんとなくやった研修やとりあえず知識だけを詰め込むような研修では、思ったような効果が得られません。
受講する目的、対象者を明確に設定し、対象者にあった研修プログラムを組むことでハラスメント予防・防止、組織全体のモラルと生産性の向上に繋がります。
1月に1回、30分だけでもハラスメントに対して対策を取ることが大切です。
当社では、ハラスメントに関する研修を実施しております。また相談窓口担当者の育成も行っております。心当たりのある方は、ぜひ一度当社の研修を受講してください。研修依頼は、お問合せフォームからご連絡ください。