【エニアグラムのタイプで見る】モラルハラスメント対策

タイプで見る、ハラスメントの動向

モラルハラスメント(モラハラ)は、職場や家庭などで行われる精神的な嫌がらせや心理的な攻撃を指します。モラハラの影響は深刻で、被害者に深い精神的な傷を残すことが多いです。モラハラの防止と対策には、エニアグラムを活用することが有効です。エニアグラムを通じて自分や他者の性格タイプを理解し、より良いコミュニケーションと健全な人間関係を築く方法について考えてみましょう。

モラルハラスメントとは?

モラルハラスメント(モラハラ)とはモラル(道徳や倫理観)に反するいやがらせ行為のことを指します。

例えば

  • 繰り返し行われる批判や非難
  • 他人を貶める発言や行動
  • 無視や孤立させる行為
  • 価値観や意見の押し付け
  • 恐怖や不安を煽る言動

モラハラは、被害者の自尊心や職業的価値を損ない、仕事のパフォーマンスを低下させるだけでなく、精神的健康にも悪影響を及ぼします。

エニアグラムとは?

エニアグラムは、古代ギリシャや中世のキリスト教神秘主義に起源を持つ性格タイプ理論で、現代においては心理学や自己成長のツールとして広く用いられています。エニアグラムは、以下の9つの性格タイプに分類されます

  1. 完璧主義者(改革者):高い倫理観と理想を持ち、正義を重んじる。
  2. 助ける人(援助者):他者への献身的なサポートを好む。
  3. 達成者(実行者):目標達成に情熱を持ち、成功を追求する。
  4. 個性を重んじる人(個人主義者):自己表現と感情の深さを大切にする。
  5. 観察者(研究者):知識を追求し、分析的で洞察力がある。
  6. 忠実な人(懸念者):安全と安心を重視し、忠誠心が強い。
  7. 楽しむ人(冒険家):楽観的で、新しい経験を求める。
  8. 挑戦する人(挑戦者):強い意志と支配力を持ち、リーダーシップを発揮する。
  9. 平和を求める人(調停者):調和を重んじ、対立を避ける。

エニアグラムとモラルハラスメント

エニアグラムは、自身のことだけでなく他者のことを理解し受け入れることを促す有効なツールです。エニアグラムを活用することで、職場のハラスメントを予防し、対策を講じるための効果的な手段となります。以下に具体的な特徴を記載します。

※ただし、あくまで傾向を示すものであり、それぞれのタイプが必ずこのような行動をとるわけではありません。

モラハラ加害者になりやすい性格タイプ

タイプ1:完璧主義者

特徴

タイプ1は、完璧主義と言われるほど、高い倫理観と理想を持っています。そのため、責任感が強く物事をきっちり遂行するしっかりものです。ちょっとしたことも気になって、常に何かに取組んでおり、周りからは忙しい、努力家、自分に厳しい人、と見られることがあります。

一方で、高い倫理観と理想を持つゆえに他者に対しても、自身と同じ様にすることを求めてしまうことがあります。社会理念や会社のルールはもちろんのこと、自分自身が正しいと感じる価値観を優先してしまいます。そして「これは正しい事だから、周りもやらないといけない」とついつい注意をしてしまうのです。ちょっとした注意で済めば問題ありませんが、段々とエスカレートしていき、暴言を含めた注意になっていきます。この行為が他者からモラハラと受け止められてしまうのです。

対策

タイプ1の方は、他者の行為が気になった時に、深呼吸することが大切です。

ついつい自身が正しいと思う方向に変えたくなると思いますが、他者には他者が大事にしている価値観があります。

本当にその指摘は必要か、落ち着いて振返ってみましょう。

タイプ8:挑戦者

特徴

タイプ8は、挑戦者と言われるほど、逆境に強く、新たな道を切り開く強い意志を持ちます。また他者から支配されることを嫌い、自由にのびのびとできる環境を好みます。自身のやりたいことを優先する為に、他者との対立も恐れません。部下想いな一面もあり、リーダーの役割を引き受けることが多いです。

一方で、自身のやりたいことを優先するあまり、自身の足を引っ張る方を「敵」や「無能」と見なしてしまうことがあります。自身の手助けをしてくれる人は高く評価するため、よりその差が目立ちます。本人に悪気はないのですが、見放したり、指示が適当になったり、時に暴言を吐いてしまったり等、早々に相手に見切りをつけてハラスメント行為を行うことがあります。

対策

タイプ8は、他者とコミュニケーションをじっくり取ってみましょう。

敵とみなしていた人が味方であったり、無能とみなしていた人がとても有能であるといったことは良くある話です。

敵、味方と見るのではなく、一個人として会話をすることで、今までにない相手の良さを見つけることが大切です。

モラハラ被害者になりやすい性格タイプ

タイプ2:助ける人

特徴

タイプ2は、「助ける人」と言われるほど、誰かのために何かを行う、献身的な行動をとることが多いです。見返りを求めることももあまりなく、「ありがとう」といった感謝の言葉で満足します。ただし、自身の献身的な行動を批判されたり、感謝の言動をもらえないと怒りを覚えます。

また行動基準が、「他者」になることが多く、自分の感情やニーズを後回しにしがちです。そのため、他者から仕事等をお願いされて断ることができず、抱え込むことも多いです。結果、なんでも受け入れてくれる人と誤解され、ぞんざいに扱われることも多く、モラハラのターゲットとなってしまうことがあります。

対策

自己肯定感を高め、自分のニーズを適切に主張することが大切です。ついつい他者のために行動しがちですが、自分自身のために行動することを心がけましょう。自分自身の目標や成長を考える事も重要です。

自己肯定感を高めるために、1on1やチームミーティングなど、タイプ2の方が自身の感情を表に出せる場を作ることが求められます。

タイプ9:平和を求める人

特徴

タイプ9は、「平和を求める人」と言われるほど対立を嫌います。そのため、チームの調整役として活躍することが多いです。タイプ9が職場に一人でもいると場が和むと言われるほどです。職場にいてほしい存在として重宝されます。

一方で、調和を重んじるあまり、自己主張を苦手とされていることが多く、自分の意見を出せず、抱え込んでしまうことがあります。また調整がうまくいかなかった際に、攻撃の対象として捉えられモラハラの被害を受けることがあります。不和を恐れるあまり、自分が被害を受ければ丸く収まると考え、声を上げず我慢し、より多くの被害を受けることもあります。

対策

自分の意見を出すことが大切です。意見を出さないため、受け入れられていると相手に思われてしまい、モラハラの被害を受けやすくなります。

調整役として、ストレスを多く抱えている場合があるため、周りから配慮を行う事も重要です。

エニアグラムを活用したモラハラ対策

自己理解と他者理解の促進

エニアグラムでは、それぞれのタイプについての理解することによって人の性格特性を把握することができます。各タイプによって、物事の捉え方や考え方など大きく異なり、それらを理解することによって、どのように人と接すれば良いかを学ぶことができます。エニアグラムでは、まず自分自身がどんな特性を持っているのか理解し、受け止めることから始めます。そして他者との違いを理解していき、他者とのかかわり方を改善していきます。

コミュニケーションの改善

エニアグラムのタイプごとに好む言葉や嫌う言葉があります。エニアグラムの知識を学び、活用することで、各性格タイプに適したコミュニケーション方法を学ぶことができます。これにより、誤解や対立を避け、建設的な対話が可能になります。

教育と研修の実施

エニアグラムを取り入れたハラスメント研修を実施することが有効です。従業員がモラハラに対する知識と対策を身につける機会を提供しながら、エニアグラムを用いたディスカッションにて互いの考えや想いを共有し、信頼関係を深めることができます。

まとめ

モラルハラスメントは、職場や家庭における深刻な問題ですが、エニアグラムを活用することでその影響を最小限に抑えることができます。エニアグラムを通じて自己理解と他者理解を深め、適切なコミュニケーションとサポート体制を構築することで、健全な人間関係を築くことができます。

エニアグラムは、性格理解とコミュニケーションの向上を通じて、ハラスメント対策に大いに役立つツールです。自己理解と他者理解を深めることで、職場での誤解や対立を減少させ、健全な職場環境を築くことができます。エニアグラムを活用し、全員が安心して働ける職場を目指しましょう。

当社では、エニアグラムに関するセミナー・研修を開催していますご興味のある方は、ぜひ一度当社の研修やセミナーを受講してください。研修依頼は、お問合せフォームからご連絡ください。