【コミュニケーション不足】人間関係を悪化させる言動
コミュニケーションとは
コミュニケーションは、私たちの生活のあらゆる側面において、成功と充実をもたらす鍵です。家庭、職場、友人関係、さらには見知らぬ人との間でも、効果的なコミュニケーションは理解と協力の基盤を築きます。
しかしながら、コミュニケーションの取り方によって信頼関係を喪失してしまう可能性もあります。コミュニケーション不足は、相手の意図を読み間違える、強い言葉によって伝えるなど、単なる会話不足だけではなく、会話の際に行う言動に大きく影響されます。
そこで今回は、人間関係を悪化させるコミュニケーションについて取り上げていきます。
相手の意図を読み間違える
相手の話を100%把握しようとする
昨今、「聴く力」という言葉を耳にすることが増えました。会話において一方的に話すのではなく、相手の話を聴いてこそコミュニケーションは成り立つとして、傾聴を大事にすることが増えてきています。特に、ビジネスの場面では一方的な商品・サービスの宣伝にならない様に相手の話に意識を向けることが大切になってきています。
これは良い傾向だと思います。
しかし、中には傾聴が大事だということで相手の話す内容を一言一句逃さない様にメモを取る人がいます。
指導を受ける時や聞き逃してはいけない内容など、状況によっては大切な行為です。
ただし、相互に会話する中では、相手を不快にさせてしまう場合があります。相手の話をメモに取る行為が繰り返されれば、それはもはや会話ではありません。会話の相手も、一種のインタビューやヒアリングになってしまい、相互で意思疎通を図りにくくなります。
コミュニケーションにおいては、相手の話を一度で間違えずに把握することは然程重要ではありません。聞き逃したり、知らない単語が出てきた際には、相手に聞きなおすことで解決できます。
知ったかぶりをする
コミュニケーションにおいて知らない単語が出てくることはよくあります。専門的な話になれば、なおさらです。
他にも、方言、こそあど言葉、言い回しなど、日常会話においても知らない言葉は使われます。
話の腰を折らないために、あえて知っている様に振る舞うことも間違いではありません。しかし、言葉の意味を理解しないまま会話を続ければ、話が通じず相手に不信感を与えることに繋がります。
特にビジネスの場においては、少しでも不信感を与えれば信用をえることが難しくなります。
知らない単語を相手に聞くことは、ある意味で自身の弱みを見せることになるため、抵抗を示す方も多いです。一方で、聞かれる側は、意外と気にしていないことが多いです。
分からない単語、知らない単語が出てきた際には、勇気を出して聞いてみることも大切です。
言葉の意味が違う
言葉は使う人によって意味が異なります。知ったかぶりと似ている様に感じるかもしれませんが、より気をつけなければならない問題です。
例えば、みなさんにとって
「数字」
とはどんな意味を持つでしょうか。
ビジネス上での会話では売上や顧客数、コストを意味するかもしれません。プライベートでは、家計の支出や体重、はたまた昨日見たドラマのヒント、といったこともあります。
これらを前後の会話、場面、話をする相手から意味を無意識に想定しながら会話を進めるため、時に齟齬が起きてしまう訳です。
知ったかぶりであれば、自分が単語の意味を理解していないことが自覚できるのですが、言葉の解釈については最後まで分からない場合もあり、互いに意味をはき違えて会話が終わってしまうこともあり得ます。
そのため、会話を続けている際に、どこか意味が通じていない言葉に気が付いた場合には一度言葉の意味を確認することが大切です。
人間関係を良くするコミュニケーションを実践するためのヒント
コミュニケーションは言葉だけでなく手や体、表情など様々なものを使って伝達します。
そのため、相手が話している間は、言葉だけでなく身振り手振りも含めた全ての言動に注意を向けることが大切です。
しかし、全ての情報を処理することは慣れるまでに時間がかかります。まずはポイントを抑え、コミュニケーション力の向上につなげましょう。下記にヒントを記載します。
バックトラッキングを実践する
コミュニケーションにおいて使用する言葉の意味を捉え間違えると、会話がうまく進みません。一つ一つ意味を確認しながら会話を進めることも現実的ではありません。そこで会話の中から、言葉の意味を想定するために、相手からヒントを多く引き出すことができれば、スムーズに会話を進めることができます。
例えば「数字」という言葉を見てみましょう。
通常、営業担当者や経営者が数字という言葉を使うと、達成数や売上等の成果に着目されがちですが、意外とコスト削減といった支払部分に対する意識を強く持たれている方も多くいます。ついつい自分の解釈で捉えてしまうのですが、話し相手の解釈で捉える必要があります。
ここで、大事になってくるのがバックトラッキングと呼ばれる相手が使用した言葉をそのまま繰り返す方法です。
例
相手「数字を意識することは、営業担当として大切にしないといけないですね」
自分「数字を意識することですか」
相手「そう。数字を意識できればコスト削減で、少ない営業成果でも利益を上げることができるし・・・」
今回は「数字を意識すること」を繰り返すことによって、相手にその言葉についてより詳細に話していただくことができます。
またバックトラッキングは、言葉を繰り返す為、相手に「自分の話を聴いてもらっている」と感じさせることができますので、コミュニケーションにおける信頼関係を構築することにも役立ちます。
非言語的コミュニケーションに注意する
言葉以外の身振り手振り(非言語的なサインや体言語)もコミュニケーションの重要な部分です。言葉だけでなく身振り手振りを交えながら伝える方が相手に届きやすいことがあります。逆に言えば、身振りによって相手にとって話にくい雰囲気を作ってしまうこともありえます。
例えば、話をする姿勢です。
特に腕組みをしてしまう方は多くいるように思います。腕組をすると相手に対して拒絶の意思を感じさせます。威厳を出したい時などは別ですが、コミュニケーションをとる際には注意が必要です。
また椅子に座って会話をする際に、背もたれにのけぞりながら会話をする方が居ます。のけぞった姿勢は相手に対して、偉そうな印象を与えます。逆に、前傾姿勢で話を聴くと相手に対して、自分に興味を持ってもらえていると印象を与えることもできます。
姿勢は、単純ではありますが自分の考え方や思考にも知らずに影響を与えますので、最近コミュニケーションがうまくいっていない方は一度、自分の話す姿を見直していただくと良いです。
まとめ
コミュニケーションは、相手の意図を読み解くことで、人間関係の質を高めることに繋がります。一方で、相手の意図を理解できなければ、人間関係は悪化していきます。
難しく考える必要はありませんが、バックトラッキングなど、ちょっとした工夫でコミュニケーションにおける課題を克服することができます。
日々の生活の中で姿勢やバックトラッキングを意識していただきことで、よりよい人間関係を作り上げていくことができます。
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